一期一会って言っても良いことばかりじゃない
やっほー、こうちゃんだよ
年の瀬となり、寒さも一層増してきて、いよいよ大晦日っぽい雰囲気になってきました
実は私つい先日まで出張で熊本に行っておりました
たまたま時期が被っていたしんさんから連絡を頂き、久方振りにお話と食事をする機会もあり、とても充実した出張であったと思います、人との繋がりに感謝です
ですが、人との出会いもそんなに良いことばかりでも無いですよね
たまたま嫌な人とばったり会ってしまった、こっちは覚えてないけど向こうは覚えてて「あぁ、お久しぶりです、あの時はどうも」と絵に描いた他人行儀で意地でも名前を出さないようなやり取りをする、等々…
ホントに様々な出会い、巡り合わせがあるものです
出張中のある日、煙草を切らしてしまった私は、ローソンへ買いに出かけました
そこは暫く歩かないといけない程離れた所にあるローソン
イヤホンガンガンで周りの音を遮り、自分だけの世界に浸りながら歩く道はまるでTGCのランウェイ、はたまたレッドカーペットでも敷かれているかのよう
暫く行くとパチンコ店が現れそこには喫煙所が…
煙草を持ち合わせていない私はそんなものには目もくれず、視界に入った目的のローソンへ突き進む
そして訪れたローソンへ侵入、まずは店員さんへ一声かけてお手洗いへ、昂る感情を一旦静める
申し訳程度に缶コーヒーを手に取りレジへ、そして置いて一言
「アメスピの黄色、1つ」
嘘ですちゃんと番号で言いました
会計を済ませた私はシールの貼られた缶コーヒーと煙草を握りしめて店外へ、その足取りは古武術師範代もたじろぐ脚裁き
そしてたどり着いた地上のオアシス、喫煙所
私が千鳥の大悟なら愛する女性よりも強く抱きしめていただろう
封を丁寧に剥ぎ、ありがたく感じながら煙草を咥え火を付ける
「この為に歩いたんだ、うめぇ~」
非喫煙者には判らないだろうが、しっかり働いた後と飯の後、我慢するだけ我慢してようやく買った後の煙草は格別なのだ
これとコーヒーのコンビネーションたるや、たまらないものなのである
1本吸い終わり、暫く携帯を眺めていて、また暫く歩くからもう1本吸っていくか、そう思っていたとき、私の死角から急に殺気を感じたのである
「何事!?」
そう思って殺気を感じた方向へ視線を向けたらそこにはおばさんが立っていた
あっけに取られた…時代が時代なら私は気が付かぬまま息の根を止められていた、それくらいあっという間に間合いに入ってきたのである
しかもそのおばさん、マスクを付けているのに私に近づいた時には律儀にマスクを顎にかけていた、時代はソーシャルディスタンス、そんなものはまるで無視、その素早さを見せるあなたは星空のディスタンス
そして一言言ってきたのである
「あのぉ~煙草1本くれませんかぁ?」
文字だけ見たら普通だ、しかしそのおばさん、話し方は志村けんの瞳婆さんのようで、見てくれは漫画太郎のおばあさんのよう、そして謎なくらいに歯軋りをしていてとにかく異質であった
その人は何も悪くは無い、ただしかし、これら一連の情報量が1秒足らずの間に急激に眼から脳へ送られてしまったので、とにかく異質に感じて仕方が無かったのだ
あっけに取られたが、少しいたたまれなくなって煙草を1本譲った
何故がライターはしっかり持っていた
火を付けてお礼を言った後そのおばさんは、振り向いてからの初速が余りにも速く中々な速度で私の視界から消えたのだった
「煙草の妖精だったのだろうか…」
そんなアホなことを考えてその後帰った私は職場の同僚にこの話をしたが、もちろん誰にも信じては貰えなかった
あれは夢だったのだろうか…
暫くたったある日、職場の上司から
「こないだ例のおばさんに会ったよ」
と、衝撃の一言
上司はパチンコ終わりで煙草を吸っていて、吸い終わって帰ろうかとしたときに、全く同じ流れで出会い頭に煙草を要求された事
そして怖くて思わず「吸ってません」と言ったら何も言わず速歩で去って行った事を話した
その後見たら、その先にあるローソンの方へ向かい、また戻ってきた、どうやら喫煙所と喫煙所を行き来して喫煙者へ煙草をせがんでいるようだと発覚した
後日また煙草を買いにローソンへ出掛けたら、そこの喫煙所は無くなっていた、それが関係しているかどうかはわからない
因みに違う上司は私と同じ日に、街の喫煙所でライターの持たない女性へライターを譲ったら飲みに行きましょうと誘われたと言っていた
同じ煙草絡みなのにどうしてこんなにも違うのか…悲しくて仕方がない
やけ酒したのは黙っといてください
最近になって寒くもなり、コロナに加えてインフルエンザの季節にもなってきました
自分がかからないためではなく、人に移さないという意識を持って皆で感染予防に努めましょうね
あ、あのおばさん…大丈夫かなぁ…