昔見た衝撃的な光景は、今も色褪せぬまま
どうーも、こうちゃんです
今宵は幼少期の思い出でも語ろうかなと思います
私の家は祖父祖母(どちらも他界)から兄弟含めひとつ屋根の下で暮らしておりました
とは言いつつも両親は自営業で共働き、兄とはかなり歳が離れており、いつも遊び歩いていたためほぼ一人っ子みたいなもんでした
そんな私の相手をしてくれていたのは祖父母、主に祖母でした
しかしそんな祖父母は、歳老いて(とは言いつつも当時は60代)も元気で、夫婦喧嘩よりも老夫婦喧嘩を見ることが多かったんです
ある日の休みのこと、当時小学校低学年の私はやることもなく意味無くソファの上で跳び跳ねるという一人遊びをしておりました
私が親だと「スプリングが壊れるけんやめんか!」と怒り散らしてもおかしくない勢いで跳び跳ねてましたね
孫思いの祖母がやってきて、晩御飯は何を食べるかと聞いてきたので、大好きだった卵焼きをリクエスト
楽しみに引き続き跳び跳ねていました
幼い子の集中力は異常なもので、それから周りのことなど意に介さず一心不乱に跳び跳ねておりました
暫くしたときに「なんか騒がしいな」と思いそちらに目をやると、なんと祖父母が激しい言い争いをしておりました
祖父はかなり気性の激しい人で、兄が遊びで山の木を伐採して秘密基地を作っていたところ、勝手に木を切り倒したことに激怒し鉈を片手に可愛い孫を追いかけ回すリアルジェイソンでした
勿論怖かったです
さすがに幼いながらに気を使い、下手に動くととばっとりを食らうと思い、跳び跳ねるのをやめてその光景を気配を消して見ておりました
その突如、おそらく祖母が祖父の逆鱗に触れることを言ったのでしょう
それからは一瞬でした
祖父は祖母の服の襟首を掴んだかと思うと見事なまでの払い腰を決めてしまいました
それだけでもビックリすることなんですが、私が1番衝撃的だったのはその払い腰に対して見事に受け身を取っていた祖母の方でした
祖父の影響で幼稚園の時からプロレスが好きだった私は受け身の存在を知っていたので、
「なんで咄嗟にそんな受け身取れるん!?」
という衝撃と、祖父の容赦ない投げという驚きが相まって、ソファに置いてあったクッションに顔を埋めて笑いを堪えました
笑うんかい
と思ったそこのあなた、仕方ありません、あれは笑います
勿論心配もしました
ですが人間、目の前で一瞬のうちに処理しきれない程の情報量の多い光景を目の当たりにすると、笑ってしまうものです
投げ終えた後に流石に正気に戻った祖父は無言でその場を立ち去り、祖父が居なくなったのを見計らって深くため息をついた祖母が何事もなく立ち上がり台所に向かう
まるで一勝負終えた盟友のごとく、勝負のあとは語ることは何もない、立ったものが勝者だ
その光景に止めを刺された私は一時間くらい思い出し笑いが止まりませんでした
今考えたらかなり最低な孫だなと思います
今までの人生でもその日の晩御飯ほど気まずいものはありませんでした
天国では仲良くやってると良いなぁ